初夏を感じさせる30℃近い日があったかと思えば、雨の寒い日になったりして、最近は不順な天候が続きす。皆様いかがお過ごしですか?
6月の上旬は高総体・中総体があり、部活に応援にと忙しい日が続きます。さらに下旬には、中間テストがやってきます。新しい学年が始まり、運動に勉強に精いっぱいがんばってほしいです。
4月から今年度の『中3土曜ゼミ』も始まり何回か過ぎましたが、定期試験が近づいてきましたので、14日と21日(水曜日の場合は18日と25日)はいつものテキストは行わず、それぞれの学校の定期試験の試験範囲に合わせたプリントを用意して、順次練習していきます。それぞれの生徒は試験範囲が分かり次第、早めに連絡してください。
5月 | 29日(木)・30日(金)・31日(土) | 5週目でお休みです(※1) |
6月 | 15日(日)・22日(日) | 自習室を開放します(※2) |
30日(月) | 5週目で休みです |
(※1) 3日間とも振替授業を予定している生徒がおります。ご注意ください。
(※2) 各学校の中間試験が近いので泉中央教室を自習室として開放いたします。午前10時より夕方5時まで、「中野塾」の生徒なら誰でも勉強しに来てかまいません。もっと練習したい部分があれば、置いてあるテキストからコピーして練習することもできます。ぜひ利用してください。
受験を意識したときに必ず悩むのが「希望」と「現実」とのギャップです。「自分の進みたい道」「希望する学校」と「現在の自分の学力」との差からくる悩みです。この悩みは誰でも経験することですが、例えば、かつて中野塾で私が教えていたある生徒について言えば、学力習得をスタートする段階から始まりました。
彼は、後で聞いた話ですけど、中学の入学式だけ出席してその後は学校には行かなかったそうです。高校1年の年齢になった時に、お母さんからお話がありました。もともと彼の弟が中野塾に通っていて、お兄さんがいることは知っていました。弟の話からご両親と弟とおばあさんのいる明るい家庭なのだということを思い出し、だからこそ彼も十代の前半は学校に行かなくても過ごすことがきたのかなと思いました。
そして中野塾で彼の勉強が始まりました。英語はそれこそアルファベットから始まり、数学はプラスマイナスの計算からでした。でも彼の丁寧な性格と勉強に対する真摯な態度から、勉強内容は次々と進んでいきました。「なるほど、学校に行けなくなるのも分かる」と私は当時納得したものでした。というのは、まじめな性格であり、他人とのコミュニケーションがあまり得意ではないと、何かあったとき自分が不甲斐ないように感じてしまい、自分を責めてしまいがちになり、他人の輪に入っていけなくなってしまうことがあるからです。またそれをそれほど意識しなくても、本人の意思に反して、思いもよらぬ体の不調をきたしてしまうこともあるのだと思います。彼に詳しく聞いたことはありませんでしたが、他にもそういう生徒がいたのでおそらくそういうことだと思いました。
それから3年間、英語と数学を中心に中学・高校の内容を勉強し、一方ではNHK学園という通信制の高校に所属して、レポートを提出しながら高校卒業を目指しました。結局、その3年間で大学を受験するのに可能なレベルまで達しましたが、最終的に彼が選んだのは、テレビを見ながら勉強していく中で「放送を作る」ということに興味を持ち、その技術を専門に学べる東京の専門学校を選び、進学していきました。
彼は、一般的な日本の十代の者たちに比べて、学力の点でいえば大きく差がついていました。自分でもそれが分かっていて、15歳のときに中野塾に通うという大きな決断をしたのだと思います。その後は持ち前のきちんとした性格も手伝って、自分の納得できる勉強を進め、3年間で中学・高校の内容を習得することができました。これは彼にとって大きな自信になったと思います。私も彼を教えていく中で、いろいろなことを勉強させてもらいました。本当の勉強の姿とはどうあるべきかをあらためて考えさせられました。そして、彼と彼を支えたご家族には、私も大きな財産をもらったような気がします。
結局、大切なのは「希望を持ち続けること」と「自分の客観的な位置を見失わないこと」だと思います。いわば極度の自信喪失と、極度の自信過剰に陥らないことです。そのためにも周りの人たちは「希望を語ること」と「本人に現実を見る勇気を持ってもらうこと」を考えながら接していく必要があると思います。私もその1人として生徒たちの指導を進めていきたいです。