初夏の爽やかさと夏に向かう気配を感じるこの頃となりました。皆様いかがお過ごしですか。
6月の上旬は高総体・中総体があり、部活に応援にと忙しい日が続きます。さらに下旬には、中間テストがやってきます。まずは新しい学年で、運動に勉強に精いっぱいがんばってほしいです。
6月の後半の中間テストに備えて、「Two Sundays」を6月16日・23日の日曜日、泉中央教室で13:00~18:00の時間帯で行います。中学生は、それぞれの中学校の中間テストの試験範囲が分かり次第早めにご連絡下さい。それをもとに事前に5教科のプリントを作成し、練習していきます。また高校生の希望者には、試験範囲として予想される部分をプリントとして渡しますので、申し出てください。
5月 | 29日(水)・30日(木)・31日(金) | 修学旅行などで、休みになった授業の振替を行います。それ以外の授業は5週目で休みです。 |
6月 | 16日(日)・23日(日) | 「Two Sundays」にともない自習室を開放します。 |
29日(土)・30日(日) | 5週目で休みです |
今日は「塾図書」の本棚にある1冊を選んでご紹介しようと思います。まずは池田晶子さんの『14歳の君へ』-どう考えどう生きるかーです。本の帯にもあるように、22万部突破のロングセラーらしいです。これは「毎日中学生新聞」連載された文をまとめて本にして、出版されました。私は、著者については、著名な思想家であり小説家でもある埴谷雄高と交流があった若き哲学者ということで知っていました。しかし、あまり詳しいことは知りませんでした。今回この本を読んで、私にとってある意味で衝撃でした。それは、こういう内容を、平易な文章で、語り掛けるような語り口で迫っていくそのスピード感と、哲学用語は一切使わず、本質を明らかしていく小気味よさにです。例えば「はじめに14歳の君へ」という前書きで次のように始めます。
>君は、生きていることは、つらいことだと思っているだろうか。
つらいこと、思うようにならないこと、望んでもいないこと、たくさんあるよね。ある
いは、とくにこれと言ってつらいことがあるわけではないけど、なんとなく、面白くない、つまらない。大人の社会だってロクなことないみたいだし、このままそんなふうな大人になっていくことにどんな意味がある。
そう感じる君は、ある意味で正しいよ。じっさいに、そういう時代なんだ。「時代」と言われても、何だかピンと来ないかもしれない。時代というのは、まあ要するに、君がなんとなく感じている世の中の雰囲気、学校や家族での人間関係、街の中での人々の態度、ニュースで報道される国内や国外の事件、そういうものに君が感じるその感じのことだ。そういうものは、今、どうひいき目に見ても、いいものではない。敏感な君が感じているその通りなんだ。
この「はじめに」は、この本の目標を指し示す。
>人が生きてゆくのは、よい人生を生きるためだ。自分にとってのよい人生、幸福な人生を生きることが、すべての人の人生の目的だ。悪い人生、不幸な人生を生きたいと願う人はいない。すべての人は、良い人生を生きることを願っている。それなら、人は、悪い心で良い人生を生きることはできるだろうか。人をだましたり、人を蹴落としたりしながら生きていく人が、よい人生、幸福な人生を生きていると君は思うかい?
そしてこの章は、次の言葉で終わる。
>大丈夫。そう思っているなら、そう思っているそのことで、必ず幸福な人生を生きることになる。たとえどんなに不幸な時代であっても、幸福な人が不幸になることだけは決してないと、約束するよ。
そのポイントは、「知ること」そして「考えること」です。ヒントを一つ本文から。
>こういう理由で、今の学校の勉強の方法では、学んで知ることの本当の面白さは、なかなかわからない。だから君は、学校の勉強は学校の勉強として、自分ひとりで考えることの面白さを追求していくのがいいだろう。本を読むのが一番いい手だ。試験問題集なんかいくら数をこなしても、賢くなるのはあまり期待できないね。
私はこの作者が2007年に病気で亡くなっていたということを今回知りました。広く視野を持ち読書するということから私が離れてしまっていたということかも知れません。「14歳の君たち」つまり塾生のみなさんにこそ、ぜひ読書をしてほしいです。それは試験や受験にも実は廻りまわって役にたつということを私も実感しています。
おもしろい本を読んだら私にも教えてください。「塾図書」の本棚に並べます。