いよいよ本格的な秋の気配が感じられるようになりました。みなさま、いかがお過ごしでしょうか。
今年度も後半戦に入り、受験生たちも勉強に拍車がかかってくる時期です。心身ともに調子を整えて、ひとつひとつ課題をこなしていって下さい。
9月 | 29日(月)・30日(火) | 5週目で休みです |
10月 | 13(月) | 祝日ですが通常授業を行います |
29日(水)・30日(木)31(金) | 5週目で休みです |
今の中2生の高校受験の時から、宮城県は全県一学区制になります。私の世代の人たちは全県一学区制だったそうですが、その後、主に「受験競争」の「弊害」をなくすために、学区制をしき、住んでいる地域の高校数校の中から選んで受験するシステムに変わりました。また、それを元に戻すということでしょうか。
「学区制が変わると大変なことになる」という話を聞きますがわたしはそうは思っていません。大多数の中3生が高校を選ぶときの理由は、もちろん学力の問題はありますが、「通える」ということが前提だと思います。せめて1時間以内というところでしょうか。つまり、結局はそれほど遠くない高校を選ぶことになると思います。現在、泉区が属している仙台の北学区は宮城県の中では、生徒数に比べて高校の数が少なく、平均して最も競争率が高い学区なので、その境をとってくれた方が一般的に考えれば、やや「すく」かなとも思われます。ただ、「競争が激化する」と言われるのはいわゆる、上位2・3校のことで、郡部からの受験も可能になり、もちろん仙台圏の全域から通学可能なので、そういう意味で競争が激しくなると思います。
しかし、この議論は高校入試をしようとしている全体からみれば、上位数校を目指している少数の生徒たちにとっては少し気がかりなニュースですが、大多数の生徒たちにとっては、身近な高校の中から選ぶことには違いないのです。そしてそのことよりもなによりも、自分の実力をつけていくことの方がもちろん重要です。
さらに、この議論がもうひとつ平板な印象を与えるのは、一学区制になると全県の高校が序列化してしまい、全県百校ほどある高校が順番をつけられてしまうという危惧です。そういう可能性はありますし、現に一学区になっていない現在でも、すでに偏差値による一覧表はひとつの現実としてあります。全県一学区制にすれば、それが表面に現れ、よりその差別化が鮮明になるとは思います。
しかし、その背景にはひとつの前提があります。すなわち、どの学校も同じような授業をやり、同じ様な高校生活を送って、同じような学生を作り出している。ただ違うのは高校の学力だけ、という考え方です。
中学生が高校生になるといろいろな事が起こります。あんなにできていた子が、どうして、せっかく入った高校をやめてしまうのか。中学では部活などで明るかった子が高校生になってすっかり目立たなくなってしまったとか、よく聞く話です。もちろんそこには本人の様々な問題があると思いますが、その一端に、入学した高校が本人にうまく合わなかったということが考えられます。いわゆる、「できる子」でも、まわりから、次々課題を与えられ、それをこなしていく中で実力をつけていく子もいれば、自分なりのやり方を見つけそれに沿って実力をつけていく子もいます。それは、個性ですので、どちらがいいかということではありません。ただ、その個性を無視して合わないやり方を強制的に押し付けると、つぶれてしまうことがよくあります。高校を中退していく学生は、結果的には「学力不振」でしょうが、そのきっかけを作ったのは「学校が合わない」ということがよくあるのです。
私が願うのは、高校それぞれに、もっと「個性」を全面に押し出して欲しいということです。そして、その個性を単に大学入試の実績だけでなく、また逆に抽象的な美辞麗句でなく、具体的に何をやって、どのように高校生たちが成長していっているか、大人になっていっているのかの姿を伝えてほしいのです。表面的な偏差値だけの序列ではなく、もっと、そういう情報が、受験生たちには必要だと思います。30分でいける近くの高校より、一時間かけて行っても、明るい高校生活をしている自分が見えるような、そんな高校に行きたいとみんな思っているはずです。