今年は本当に暑かったですね。まだ残暑が続くらしく、仙台で秋風が吹くのを待ち望むというのも、めずらしいのではないでしょうか。皆様いかがお過ごしですか?
学校も始まり、生徒達も普段の生活に戻っています。この夏につかみかけたに違いないものを、しっかりと自分の中に定着させていってくれればいいと、期待しています。
8月 | 5週目の休みはありません | |
9月 | 20日(月)・23日(木) | 祝・休日ですが、通常授業を行います |
29日(水)・30日(木) | 5週目で休みです |
「文部科学省は7月30日、4月に小6と中3を対象に3割の抽出式で実施した全国学力調査の結果を公表した。4回目となる今年は中3生に対し、初回の07年に小6で受けた問題と類似する問題を「比較問題」として初めて出題。3年間でどれだけ理解が進んだかを調べたが、円の問題にからむ問題でつまずく割合が3年前の小6のときより増えるなど、依然として課題が解決していない様子が確認された。」
7月から8月にかけて「夏期講習」に多くの生徒達が来てくれました。中3生をはじめとして何人かは、ほぼ連日の授業にも暑さにもめげず通ってくれました。その中にはきっと大きな自信を身に付けただろうと思われる生徒たちも何人かいます。しかし、この記事のとおり、円周や円の面積を出せない中3生のなんと多いことか、ということにも驚かされました。この記事の終わりに「算数教育に詳しい」筑波大学の教授が「公式の意味をしっかり説明できるように授業をしていないため」と指摘されているように、単に結果としての空虚な公式を丸暗記しているためにすぐ忘れる、思い出せない、という状況になるのだと思います。
また、この調査での平均正答率の成績トップの常連が秋田県や福井県という、あまり塾が多いとはいえない県であることに何かがあるという声を聞いたことがあります。つまり、その公式の結果だけをおぼえさせる空虚な授業をする傾向に、塾が一役かっているということを意味しているのでしょう。この点については実は頭の痛いところがあります。
もちろん塾である以上生徒達の成績を上げることが目標ですし、本人たちもその目的のために塾に通っていると思います。しかし、本当に学力を上げるためには、むしろ「最後までは教えない」ことがひとつの方法として重要だと思っています。明日がテストで、「これはこうで、これはこう」と教えきってしまうことはよくあります。しかし、結果をみると、教えた側の期待どおりには点をとってくれないのが現実です。その時わかったような気になっていても、実は本人には身についていなかったということでしょう。また、最後まで教えてしまうことによって、途中経過を順々に昇っていく楽しさも奪ってしまうということでもあります。生徒にとってはそれこそ空虚な結果だけを押し付けられ、これを覚えさえすれば点が取れる、と言われ続けたらやはり勉強はつまらないものになっていくに違いありませんし、何のための勉強かを見失ってしまう可能性だってあります。結局は何年たっても円の面積が出せず、その場ではわかったような気になってまたすぐ忘れる、ということの繰り返しになってしまいます。
私も、本人の努力をひきだし達成感を感じさせてあげられる、的確なアドバイスとはどういうものか、日々考えながら毎日生徒たちに接しています。