秋も日に日に深まり、各学年の勉強内容も重要な単元にさしかかってきています。日々の少しずつの努力は必ず実を結びます。体調を整えて、ほぼ1ヵ月後のテストに備えましょう。
保護者の方とは年3回お話はできますが、子どもたちとは毎週会っています。こちらに通ってしばらくすると、だんだん家庭での様子もわかってきて、いろいろなことを話してくれる生徒もいます。また友だちどうしで家族のことを話しているのが耳に入ってきたりします。それを聞いて、「明るい家庭なんだな」とか「温かい家族関係なんだな」と思うことがよくあります。しかし最近、特に受験生を持っている家庭での子どもと親とのきしみを、子どもたちの発言から感じることが時々あります。それぞれの家庭にはそれぞれの事情があり、それぞれの親子関係を長い年月をかけて築いてきたと思いますが、ここのところ子どもと親との間がうまくいっていないのかな、と少し心配な生徒が数名おります。ある面では、十代の成長過程でそういう時期があることは健全なことだと思いますが、この受験勉強を通じて、親子関係のきしみが拡大するのは悲しいことです。「もっと勉強しなさい」「やっているよ」「全然やっているように見えないけど」「今やろうと思っていたところなのに」という会話が目に浮かびます。親から見ると、目の前の子どもが今の自分の状況を全くわかっていないと思い、つい口に出してしまうのでしょう。しかし本当は、むしろこの機会を利用して、子どもたちが自立していく力を身に付けられるような方向へと導いていくのが大人の役割だと思います。しかし、これはなかなか難しいことです。私たちもそのことを見失わないように気をつけてながら、まず目の前の壁をクリアしていく指導をしてまいりたいと思います。
また逆にお母様方から、どのように勉強に向かわせるかについての相談が何件かありました。いろいろなケース、いろいろな事情もありますが、最終的には本人の問題です。本人がどのように考え、決断し、行動するかにかかっています。そのための最大限の援助と環境を用意し、常に問いかけを行っていきますが、最後は本人を信じるしかないと思っています。できるだけのことをした上で本人が動き出すのを待つしかないのではないかと思います。また逆に、自分の意志で勉強してきた経験を積んでいけば、高校・大学へ行ったときに、また仕事についたときにも必ずそれが役に立っていくと思います。